神輿を担ぐ(本物)

『お神輿っていいもんですよ〜！』

とある日の接骨院、施術師の先生との会話にて。

その先生は結構な頻度でお神輿の話題をしてくるので、いわゆる単純接触効果というものでしょうか、最初はふーんと思っていた私も少しずつ気になってきました。

とはいっても、先生の話を聞くと深夜2時頃から担ぎ始めるというハイパータフなスケジュール！面白そうだからといって気軽に挑戦するにはあまりにも厳しい…。

そんな折、知人からなんと9月にお神輿を担ぐ人を募集しているという連絡が！！

もちろん二つ返事とはいかず、少しだけ悩みはしたものの、自分の中の好奇心がちょっぴり上回り、都内某所にて神輿デビューを果たしました！！

エッサ！ホイサ！という呪文

初心者向けにレクチャーがあるのかな〜、と悠長に構えていた私に待っていたのは、まさかのぶ っ つ け 本 番。

重たいのはさらなり、とにかく肩が痛い！担ぎ棒がゴンゴン当たる！！いや殴りつけられているッッ！！！

後ろで担ぐベテランの方らしき方から、「しがみ付け！！」というアドバイスをいただき、死にものぐるいで棒を掴みつつ、エッサ！ホイサ！しつつ、ヨタヨタと歩みを進めるというエクストリーム全身運動を体験しました…。

もちろん担ぎっぱなしではなく、30分前後で10分ほど休憩が入りますし、周りに人がいればヘルプを求めることもできます。私も1セット途中で抜けては、後ろをウロチョロするという形で凌いでいました。その時も目線は下に下がり、腕も満足に力が入らない、そんな状態にもなりました。

しかし…、しかし不思議なことに歩いている間は、ただ彷徨くよりエッサ！ホイサ！したい…と思うようになるのです。身体のいたる所が攣りそうで仕方ないのに、肩も痛くて痛くてたまらないのに、エッサ！ホイサ！に混じりたくなるのです。とにかく担いで、エッサ！ホイサ！を口にしたくなるのです。

神輿を担ぐ大変さ、文字通り痛いくらい味わった今、縁あって再びお声をかけられた場合は、ものすごく逡巡する姿が目に浮かびます。けれども、あの時味わった高揚感、エッサ！ホイサ！を口にする開放感、これは本当に参加しないと得られなかった貴重な体験だったと、心の底から言えます。何かしらの神はいたかもしれません…。

これを読んでいる方も、何かしらの機会があればエッサ！ホイサ！の魔力を体験してみてはいかがでしょうか。