あなたはプロ野球を球場に行き観戦したことはありますか？
ないなら今すぐ行こう！

プロ野球観戦は、ただ試合を見て応援するだけではなく、データを活用することでさらに深く楽しむことができます。
今回は打者や投手の成績データを使えば、試合の見方がぐっと面白くなります。
この記事では、これらのデータを活用してプロ野球を楽しむ方法をご紹介します。

■大前提として「野球」とは
2つのチームが対戦するスポーツで、それぞれのチームが攻撃と守備を交互に行います。
試合は通常、9回のイニング（回）で構成され、得点が多い方が勝ちです。

■競技性
チーム編成: 各チームは9人の選手で構成されます。
攻撃と守備: 1チームが攻撃（バッティング）し、もう1チームが守備をします。

■得点方法: 攻撃チームは、打者がピッチャーから投げられたボールを打ち、塁を回ってホームに帰ることで得点を得ます。
アウトの取り方: 守備チームは3つの方法でアウトを取ります。
打者がボールを打てない（ストライクアウト）、ボールが打たれた後に塁に到達する前にボールが塁に到達する（フォースアウト）、打球が直接キャッチされる（フライアウト）などです。

大まかにルールが分かった所で、「どのように点を取るか(攻撃側視点)」、「どのように点を取られないようにするか(守備側視点)」
この2つを各データを基に観戦することでより楽しめます。

■1. 打者のデータで選手を見る
打者（バッター）の成績を見ると、その選手がどれくらいヒットを打つのが得意かがわかります。
過去の試合データから、特定の投手や、特定のボール(変化球なのか真っ直ぐなのか)、特定のコース(体に近いボールか、体から遠いボールか)に対してどれくらい打てるかを知ることもできます。
今は全てデータで算出されている為、得意、不得意がより顕著に可視化されることになりました。

わかりやすく言うと、打率3割の打者がいたとして、その打者は3回に1回打席に立ては1回はヒットが出る計算ができます。

1打席目:三振
2打席目:四球(フォアボール)
ときたら3打席目は単純計算ですが、数値上ヒットを打つ可能性が高くなるため、
推しのチームが「7回 1点差、2アウト、ランナー2塁 」という状況だった場合に、その3割打者が3打席目を迎えるのは得点に繋がる可能性が非常に高く、盛り上がりは最高潮に達します。

また、もっとマニアックな所をデータで解説すると、
上記3割バッターは「”特定の相手投手”に対して過去対戦して5回中、4回は打っている」データがあったとした場合に、
今期通算打率は3割だったとしても「特定の条件」が揃えば揃うほど更に打つ確率が上がります。

水ポケモンが水ステージかつ攻撃力アップの呪文がかけられ、相手ポケモンはレベルは高いが炎タイプと思えば分かりやすいかと思います。
今面白いと思ったでしょ！？いいねキミ素質あるよ。

■2. 投手のデータで試合を読む
投手の成績も試合の流れを予想するために重要です。
例えば、三振をたくさん取る投手や、わざと打ちやすい球を投げミスショットを誘い守備でアウトを増やしてあまり失点しない投手などがいます。
どんな投手が登板するかによって、試合がどのように進行していくか見えてきます。

特に、終盤に登場するリリーフ投手（試合の最後の方に出てくる投手）のデータを見ておくと、その投手がどれだけ相手を抑えられるか予想できます。

さっきの打者編で出てきた3割バッターを今度は抑えるシミュレーションをしていきます。彼の今日の打つ確率は現状45%くらいです。(※一般的に30%でもすごいのです。10回中、3回打てればめちゃくちゃすごい世界なので)
彼は右投げの投手に対して打率.301
左投げの投手に対して打率.289

オイオイこいつ右投げでも左投げでもどっちも苦にせず普通に打つやんけ
そうなんです。

ここで球種別の打率を見ていきましょう
ストレート(真っすぐ)打率:.299
スライダー(速く鋭く曲がる)打率:.277
カーブ(ゆっくり曲がる)打率:.222
フォーク(下方向に落ちる)打率:.091

■上記データを大雑把に解説
1.ストレートに強すぎて安易にストレートで勝負しにいけない(ストライクゾーン内に投げれない)
2.スライダーも打率2割8分近くあるとなると少し打ちやすいコースに行ってしまえば即ヒット
3.じゃあ緩急をということでカーブを投げたいが2割2分の打率で決め球にはできない
4.フォークこそ打率は低いがストレートが決まることが大前提の為、「全球これ投げときゃええやん！」ではない。

軽く説明した所で、今からピンチの火消しをしてもらうピッチャーを選びましょう。
今マウンドに向かわすリリーフピッチャーは「真っすぐが速く」、「遅い球を持ちつつ」「フォークを投げるのを非常に得意」としている「左投げの投手」になります。
むしろこれで抑えられないならもう彼は無理です。何投げても打ちます。

といったようにとてつもなくざっくりとした一例を出しましたが、

実際のプロ野球でも各球団にはデータアナリストが存在しこのように様々なデータを使用して日々対戦してます。
もちろんデータ通りのことばかりではなく、シーズン終盤のここ一番の試合に負けたらやばい！という試合などではデータを覆すレジェンド級選手も実在します。
そこも併せて見ると非常に楽しめるかと思います！

■データ活用の例
実際にプロ野球の試合でデータが活きた例として、2023年6月16日(金) セ・パ交流戦「巨人×楽天」
3-5の2点を追いかける状況のまま迎えた9回
楽天の抑えで出てきたフォークを得意とする酒居投手 防御率0.55(1回投げ切る間にこの人から1点でも取れたらすごいね！って数値です)
状況はノーアウト2、3塁で打席はチャンスに強い読売ジャイアンツ 坂本勇人 6月打率 .338 得点圏打率 .500(ランナー2塁の時に打席に入ると50%の確率で打つよという数値)
2ボールからの3球目に投げられたフォークを振り抜き、打球は左中間スタンドへサヨナラ3ランホームランとなった。

■解説
・9回裏、3-5の2点差で負けている状況(打てなきゃ試合終了)
・防御率0.55というこんなん1点も取れるわけないやん！無理やん！という希望が見えない投手が9回に登板
・フォークを得意する投手でどんな状況でもフォークでストライクゾーンに投げ切れる
・なんやかんやあってノーアウト2、3塁という状況を奇跡的に作り上げることに成功
・犠牲フライで1点、ヒットで同点、ホームランでサヨナラ勝ち
・坂本勇人選手が狙うは犠牲フライでなくヒットで同点、狙い球は酒居投手が得意とする「フォーク」
・1球目、2球目共にフォークでボールカウント2、ストライク0の状況、次に考えられる通常の配球で投げてくる球は、アウトコースいっぱいのストレート
・事前にこの場面ではジャイアンツのスコアラー(データを収集・分析し、スタッフや選手に伝える人)から「酒居(知史)投手はボール先行でもフォークを投げます」という情報があった
・3球目のフォークを狙い撃ちして逆転サヨナラ3ランホームランで勝ち越し

坂本選手:「打席に行く前からスコアラーの吉川大幾が『酒居(知史)投手はボール先行でもフォークを投げますよ』と背中を押してくれて。2ボールだったので、フォークボールを狙うということはちょっと勇気が要ることだったんですけども、
そういうスコアラーとの会話もあった中でフォークボールだけを狙ったので、
僕の力だけじゃなくスコアラーさんのアドバイスもあったので、やっぱり自分一人の力じゃ活躍はできない世界なんだなと思いました」
※https://www.skyperfectv.co.jp/article/detail/4119

というように実際にデータが活用されたシーンとなりました。
余談ですが、リアルタイムで私もこの試合を見ていて「このカウントで酒居さんは2億%フォーク投げるから浮いたらスイングかけろ！！」と思ってました。
当たったのでスコアラーとして雇ってください。

★終わりに
プロ野球観戦はデータを使うとさらに楽しくなります。
打者や投手の成績、チームの戦略、ホーム球場やビジター球場での有利不利といったデータを参考にすることで、試合の流れや選手の活躍をより深く理解できます。
データと共にプロ野球を楽しむことで、新しい発見や感動が待っています。
ぜひ次の試合から試してみてください。

球場内に併設されている飲食店も美味しいごはんなどがあるので是非そちらをメインでもいいので野球観戦を生で見て欲しいと思います！