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2025.11.26

2025の規制強化とWeb戦略

雑記

1,  はじめに 

2025年の法改正とWeb担当者の関わり方

2025年、高市首相が女性として初めて日本のトップに立ったことは、
大きな社会的ニュースでした。テレビを持たない私でさえ耳に入ってきたほどです。

そうした話題とともに、高市政権は「消費者保護」や「業界の透明性向上」を掲げ、
さまざまな分野で規制強化を進めています。

その中で、特に取り上げたいのが風営法の改正です。
警察庁・警視庁が公表している資料によると、
今回の改正ではホストクラブやキャバクラといった接待飲食業を中心に、
利用者保護を目的とした規制が大幅に強化されました。

\\ 以下に主な法改正のポイントをまとめました //

悪質ホスト規制:客に高額な飲食や売掛金を負わせる営業行為の取り締まり

色恋営業の禁止:客の恋愛感情につけこんだ営業行為を禁止

売掛規制の強化:支払能力を超えるツケや債務を発生させる営業の制限

無許可営業への罰則強化:法人の場合は最高3億円の罰金も可能

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の施行について(令和7年6月28日施行)/神奈川県警察

そして、Web業界に勤める者にとってこのような法改正は決して無関係ではありません。
なぜなら、求人サイトやランキングサイト、SNSや広告施策など、
業界に関連する情報発信のあり方コンテンツ運用に直接影響を与えるからです。
本ブログでは、こうした法改正が業界やWeb運営にどのような影響を及ぼすのか、
具体的な視点で考察していきたいと思います。

2, 業界全体への影響

■①風営法改正がホスト・キャバクラ業界にもたらす変化

本題であるWeb業界への影響を語る前に、まずは今回の風営法改正が「現場の業界」に
どのような変化をもたらすのか整理しておく必要があります。

法改正によって、まず夜職業界全体は ビジネスモデルの転換 を迫られるだろうと考えられます。
たとえばホストクラブを例にとると、
・色恋営業  ・引っ張り営業(キャッチ)・売掛(ツケ)
といった手法が売上の 7〜8 割を占めていると言われています。
今回の改正では、これらの行為が明確に規制対象となったことで、
従来の売上構造がほぼ成立しなくなる可能性があります。

これまで“業界として暗黙に見過ごされてきた部分”に法規制が明確に入り込んだことで、
売上構造や営業手法そのものの見直しは必至でしょう。
何が「色恋営業」なのか、どこまでが「虚偽説明」なのか、
その裁量の線引きの難しさも、大きな課題となりそうですね。

■②店舗規模による影響差

次に考えられるのは、店舗規模による影響の大きさの違い です。

無許可営業に対する罰則が強化されたことで、
「従業員が勝手に行った行為」 であっても、店舗が重い責任を負う可能性が高まりました。
                ⇓
そのため、コンプライアンス管理にかかるコストが増加。
                ⇓
結果的に、 小規模店はコスト負担で運営困難に、中〜大規模チェーンだけが生き残る状況になりやすくなります。


また、影響の度合いは店舗規模によって大きく異なります。
<大手・チェーン店>
・組織体制が整っており、コンプライアンス対応や業務手順の最適化
がスムーズに対応ができる。
・広告予算を維持し、ブランド戦略へシフトする店舗もでてくる。
→ 結果的に 選ばれる側 に回る可能性が高い

<中小・個人店>
・これまで売掛に依存した売上割合が高い所は、即座にキャッシュフローの悪化が見込まれるでしょう。
・法令遵守に必要な人員や時間を確保できず、閉店・縮小を選ぶケースも増えると予想されます。
→つまり、淘汰されやすい

■③地域別の影響

さらに、立地によっても影響は異なってきます。

<歌舞伎町・ミナミ・すすきの・中洲などの大都市圏>
・店舗数が多く競争が激しいため、改正直後は淘汰が進む可能性が高い。
・一方、生き残った店舗は「安全な店」というブランド価値を高めやすい。

<地方エリア>
そもそも市場規模が小さく、売掛依存度が高い傾向があるため、
法改正の影響がよりダイレクトに経営を圧迫しやすい

→ 地方ほど影響が深刻化する可能性が高い

■④周辺産業への影響

さらに、ホストクラブ・キャバクラ等のの売上が落ちると、
業界を支えてきた周辺産業にも影響が波及してくるでしょう。

・ヘアメイク・衣装レンタル

・店舗専用フォトスタジオ

専門求人サイト

・業界向け広告代理店

システム開発(予約管理・顧客管理ツール)

特に「高額消費を前提とした広告案件」「急成長中の新店オープン需要」などが減るため、
関連企業の中長期的な売上にも影響が出ることは容易に予想出来ます。

ここまで様々な影響を取り上げましたが、

まとめると、「売上が落ちる」ということです。

3,  Web担当が関わる領域への具体的影響を考察

ここから本題のWeb業界への影響について考察していきます。
今回の法改正は、業界そのものに大きな再編をもたらしますが、
Web領域に携わる立場から見ても、決して“他人事”ではありません。

具体的には、
伝える情報の内容・表現・掲載基準が、法改正によって直接変わる」
ことが挙げられます。特に求人サイト、ランキングサイト、SNS運用、広告施策など、
日々コンテンツを扱う担当者ほど影響を受ける場面が多くなります。

ここでは、Web担当の実務にどのような変化が起きるのか、具体的に整理していきます。

■ ① 掲載コンテンツの“表現”の見直しが必須に

色恋営業・虚偽説明・誤認を与える表示が明確に規制されたため、
求人情報や店舗紹介ページにおいても、
過度な期待を与える表現・曖昧な記述は法的リスクを持ちやすくなります。

たとえば:

・「未経験でも月収100万円以上可」
→ 過度な煽り文言として虚偽・誤認の可能性

・「絶対に稼げる」「必ず売れるホストに育てます」
→ 色恋/過剰期待を煽る表現に該当するリスク

・キャバクラ求人での“ぼかした待遇表現”
→ 実態と異なる場合は完全にアウト

そのため今後は、

・実績ベースの数字提示

・過度な煽り系コピーの排除

・根拠のある待遇説明

が必須となり、クリエイティブ制作の基準が変わっていきます。

■ ② ランキング・比較サイトは透明性が問われる

今回の法改正は風営法ですが、
同時期に進んでいる「ステマ規制」や「広告表記の厳格化」と合わせると、
ランキング系サイトの在り方も大きな転換点 を迎えると思います。

特に以下はWeb担当が影響を強く受ける部分です。

広告なのか編集なのか

・掲載順位に金銭関与があるのか

店舗からの提供情報をどこまで検証するのか

誤認される可能性のあるキャッチコピーを使っていないか

※編集とは読者に“情報・知識・理解”を提供すること
※広告とは”商品・サービス・ブランド”の利用を促進すること

これからのランキングサイト” は、
透明性を前提にした運営モデルへ強制的に舵を切らざるを得ない」
 といえます。

■ ③ 求人広告の審査基準が全体的に厳しくなる可能性

求人広告媒体側の審査が厳しくなることも予想されます。

例を挙げると:

風営法的新リスクへの対応

消費者保護の観点

景品表示法/ステマ規制との整合性

を考慮しないといけないため、
これまで通っていた表現が通らなくなるケースが確実に増えます。

Web担当者としては、

・広告出稿前の文言チェック

・店舗側へのヒアリング強化

・SEOに関わる文言のチェック

・審査落ちを見越した複数案の準備

など、制作フローそのものの改善が求められるでしょう。

■ ④データ管理・個人情報の取り扱いも影響を受ける

ホスト・キャバクラは顧客管理が“属人的”であるケースも多く、
ここにも風営法改正が踏み込むことで、
顧客データの扱い方=Webシステム側の仕様 にも影響が波及します。

・顧客管理ツールのログ管理強化

・売掛データの透明化

・不正営業の記録/監査

・証拠の保存義務

など、Webまわりのシステム設計の見直しも必要になる可能性がでてきます。

■ [まとめ] Web担当は「情報の透明性をどう担保するか」が問われる

今回の改正は単に業界の規制強化というだけではなく、
「情報の透明性」「ユーザー保護」に重心を置いた
社会の流れそのものと言えます。

⇒まとめると、Web担当者に求められるのは、

正しい情報を、誤解なく伝える

・根拠のあるコンテンツを作る

表現と実態の乖離を埋める

ユーザー視点に立った設計を行う

これらすべてが、今後ますます重要になっていくでしょう、、

また、外せない問題として、規制によって店舗側の売上減少が起こるため、
それ応じて広告費が全体に減少する可能性があり、
結果的にWeb業界としても売上が落ちることは避けられないと考えてます。

4, Web担当として取れる対応策や今度の戦略

ここまでは、
Web業界がこれまで以上に“発信する情報への責任”重くのしかかること」を考察しました。
            ⇓
これを言い換えるならば、正しく向き合うことで
信頼をベースにした強いブランドづくり」ができるチャンスでもあると言えます。

ここからは、今後のWeb運用で重要になる姿勢と戦略を整理していきます。

■① 情報の透明性を最優先にしたコンテンツ設計

これからの時代、
「盛った表現」「キャッチーだけど実態が伴わない文言」は、
ユーザーからの信頼を損なうだけでなく、法的リスクも抱えます。

今後は、

誇張ではなく“事実ベースの強み”を伝える

・実際のデータや根拠を明示する

・誤解を生む表現を避ける

など、コンテンツの信頼性が最も重要な軸になります。

信頼性を高めることは、長期的には
「安全」「健全」「信頼できる」ブランドイメージの構築につながります。

■② 店舗・クライアントとの情報連携を密にする

法改正後は、店舗側も営業手法の見直しや内部ルールの整備が必要になります。

そのためWeb担当者は、
「言われた情報をただ掲載する」役割ではなく、

・実態との整合性を確認する

・誇張がないか質問する

・法的に危ない要素がないか事前に指摘する

求人内容や店舗情報の“棚卸し役”になる

といった “伴走型”のスタンスが求められます。

そうすることで、クライアントからの信頼性が高まり
結果的に、Webエンジニアとしての価値も大きく向上すると考えます。

■③ 法改正・ガイドラインのアップデートを習慣化

・ステマ規制

・景品表示法

・個人情報保護法

・SNS広告のガイドライン

など、情報発信に関わる法律が次々と整備されています。

Web担当者に求められるのは、
それらの 最新情報を理解 → 実務へ翻訳する力 です。

法律そのものを読み込む必要はなくても、

・施策に影響する点だけ押さえる

・情報が古いまま運用しない

・「知らなかった」で済ませない仕組みを持つ

これは、Webのプロとして必須の姿勢になるでしょう。

■④ SEO・広告運用も“信頼性”が軸になる時代へ

GoogleのE-E-A-Tや、広告の審査アルゴリズムのトレンドは、
これから「信頼性」「透明性」に寄った評価へ進むと予想されます。

E-E-A-Tの重要性は、以下のような側面から理解できます:

ユーザー体験の向上:信頼性の高い情報を提供することで、ユーザーの満足度が向上します。

誤情報の排除:不正確または誤解を招く情報の拡散を防ぎます。

専門知識の価値向上:実際の知識や経験に基づくコンテンツを高く評価します。

長期的なSEO戦略:一時的なテクニックではなく、持続可能なSEO戦略の基盤となります。

E-E-A-Tとは?Googleに評価される4つの要素と実践的な対策方法 – 勝手にマーケティング分析

そのため、

根拠のある情報

・誤魔化しのないコピー

・実態とリンクしたコンテンツ

過度な誇張を避ける

といった姿勢は、SEOでも広告でも確実にプラスに働きます。

裏を返せば、
「誇張×刺激」で戦ってきたサイトは淘汰される流れです。

■⑤ 中長期のブランド戦略に切り替えるべき時期

今回の法改正は、短期的には数字が落ちる店舗も多く出ますが、
中長期的には業界が健全化し「クリーンな店」が評価される流れになります。

Web担当者としては、

単発の数字より長期的な信頼構築

・“安全・透明”をブランドの柱にする

情報の質で差別化する

という方向へ戦略転換するタイミングになってきました。

将来的に、
誠実であること自体が競争力になる」
時代が到来するかもしれません。

5, まとめ

風営法改正は業界にとって大きな転換点ですが、
Web業界にとっては、

「ユーザーに誠実に向き合うWeb運用」
を実現する絶好のタイミング
とも言えます!

コンテンツの透明性を高め、
正しい情報発信でユーザーからの信頼を積み上げれば、
むしろ長期的には競合との差別化がしやすくなり、
より強いブランドを作る土壌になります。


私自身、引き続きユーザーにとって価値のあるものを提供できるように
日々努力を続けていきます!

この記事を書いた人

みっきー

入社年
2025年
出身地
秋田県
業務内容
web開発
特技・趣味
海外/国内のサッカーを見る

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