休み中、いつも神社仏閣巡りにいく。お盆休みも同じだった。

立秋とはいえ日中の暑さは真夏と何もわからない。泉岳寺に行く途中に増上寺に立ち寄った。

増上寺は、高層ビルが立ち並ぶ浜松町にある。すぐ近くに4~5世紀の地方豪族の前方後円墳も存在する。
この一帯は大昔から権力の示しに相応しい場所であろうと思う。

この増上寺は、徳川家の菩提所として、幕府の権勢と金力を借りて、栄華を極めたに違いない。
特に、幕府全盛期に建造さる増上寺の霊廟は、豊麗精美の妙を尽くし、江戸の一偉観であったであろうと思う。

しかし、今では増上寺の御廟と言っても殆ど知らない人が多い。
これもやむを得ないことかもしれない。
明治に入り、後ろ盾を失い、廃仏毀釈の嵐の最中に、本堂は、放火された、烏有に帰した。
その後再建したが、これも焚火によって炎上した。
さらに、先の大戦で豪華絢爛な霊廟や伽藍や悉く焼失された。
燃えない宝塔だけ、この小さい墓所に移転され、過去の豪華を訴えつつある。

前日のあの大事件も思い出し、思わず「祇園精舎の鐘の声。。」を唱え始めた。