2018.08.23
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車の動力源となるエンジンでは、
エンジンパワーが高いほど速く走れるため、安全確保とエンジンによるパフォーマンス差の削減を理由に
昔からエンジンの性能に関する規制が行われていました。
特に空力開発が盛んになると、エンジンパワーに頼らなくてもスピードアップを図れるようになったため、
最近は主にエンジンパワーを落とすルール変更が行われています。
2014年からは環境保護技術開発の一貫として、「パワーユニット」と呼ばれる総合エネルギー
供給システムが導入されました。
パワーユニットは、以下の5つの要素から構成されます。
1.ICE 従来のエンジンにあたる部分
2.ターボチャージャー エンジンをターボエンジンたらしめる装置
3.MGU-K ブレーキング時にブレーキパッドから発生する摩擦熱を電気エネルギーに変換します
4.MGU-H 排気ガスの熱エネルギーを電気エネルギーに変換する装置です
5.ES 発生させた電気エネルギーを一時的に蓄えておくためのバッテリーです
F1はもはやかつてのエンジンパワーを問う時代ではありません。
市販車に応用可能なハイブリッド技術の開発力、そして回生されたエネルギーを効率よく使用する
「デプロイ」の能力が問われているのです。
現在のパワーユニットの性能は、ICEの性能、各要素の配置、MGU-Hの性能、
そしてパッケージ全体の大きさによって左右されます。
元々のICEの性能が高く、パッケージを比較的コンパクトにまとめたメルセデスがここ2年他チームを圧倒し、
メルセデス製のパワーユニットを搭載したプライベートチームも好成績を残しているのです。
エンジン本体の性能云々ではないのですね、またGPSを使ってエネルギーマネージメントをしている
ということもびっくりです。
これが現在のF1レースとなっています。