
最近の AI 開発事情
昨今 AI が大きな話題となる中、私自身もアプリ開発の機会を得て「Claude 3.7-Sonnet + Cline」を試用しました。本稿では、その体験にもとづく「AI の得意・不得意」「実装フロー」「運用上の気づき」などを整理します。
使用した AI ツール
- Claude 3.7-Sonnet
- Cline
1. AI の得意・不得意
カテゴリ | 得意 | 不得意 |
---|---|---|
コア能力 | ゼロからの機能実装 UI デザイン/CSS コーディング リファクタリング | 複数ファイル横断的な改修 未知領域の実装依頼 |
問題解決 | エラー検出・対処案の提示(対症療法的) | 長期的・構造的な設計修正 |
得意な点
- 1から機能を組み立てる
- UI デザインや CSS の具体的な実装
- リファクタリング案の提示
- 解決策の探索
不得意な点
- 複数ファイルにまたがる大規模改修
- 自身が学習していない専門領域の実装
2. 開発フロー
- ベース実装を自力でコーディング
- AI に要件を与え、「メインの改修・追加機能」を依頼
- 動作検証を実施
- エラー対応は「修正案の提案」を受け取り、提案内容を採用して解消
- 最終的に「動作安定」「要件充足」を確認
3. 運用上の気づき
対処療法的エラー解決の落とし穴
- 一見問題なく動作しても、不要な React Hook が量産されるなどの“潜在的な冗長コード”が混入
- 原因は「エラーが出た都度、その場しのぎで修正」を繰り返したため
提案ベースで使うのが最適
- エラー対応は「丸投げ」ではなく、「複数案の提示」を受け、自分で取捨選択する
- 実際、提案された修正案を手動で適用して多くの不具合を解消
トークン制限に注意
- Sonnet はトークン上限が低く、長時間の“深考”をさせるとすぐに制限に達する
- エラー修正など長いプロンプトが必要な場合は、あくまで「提案生成」に留め、詳細実装は自分で担う
4. AI 活用の最適解(まとめ)
フェーズ | AI に任せる内容 | 自分で担う内容 |
---|---|---|
要件定義~設計 | デザイン案 コンポーネント設計案 | 全体アーキテクチャ設計 |
実装 | メソッド・関数のスケルトン生成 | 複数ファイル横断の結合・調整 |
リファクタリング/改善 | コードのリファクタリング案 | 提案の検証・最終適用 |
エラー対応 | 修正案の提示 | 最終的な修正適用・動作検証 |
以上が、私の「Claude 3.7-Sonnet + Cline」を用いた AI 開発体験の要点です。
今後もアップデートがあれば随時共有します。ではまた。